例会案内

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例会案内


二〇二二年度(令和四年度) 上代文学会 七月例会 案内
日  時 二〇二二年(令和四年)七月九日(土)午後二時~
会  場 オンライン開催(Zoom使用)
参加を希望される会員の方は参加申し込み方法をご覧の上、事前にお申し込みください。折り返しURL等、参加に必要な情報を返信いたします。普段は遠方で参加しにくかった会員の皆様もぜひご参加ください。
研究発表 長歌の一型式とうたいぶりとのかかわり―琴歌譜研究を万葉小長歌研究に用いる試みー
○研究発表終了後、常任理事会(オンライン開催/Zoom使用)を開催します。


発表要旨
長歌の一型式とうたいぶりとのかかわり―琴歌譜研究を万葉小長歌研究に用いる試みー


 短歌をうたう際の曲形を仮想するとき、土橋寛の説いたAA型(575ハヤシ―⑸77 二段曲〉をモデルとする印象が強い。 長歌について、氏は「長い歌であっても、この単純な旋律を繰り返しながら、長い歌詞を歌ってゆく」(『古代歌謡の世界』)と説くが、 現在の研究は、琴歌譜に9~12種類の小旋律を組み合せた構成の二首の歌曲分析を経過したため、 長歌のうたい方について単純な繰返しとする以外の模索が要る。琴歌譜に短・長歌ともに3形態4種のうたいかたが残されたこともこれを促す。 森重敏は、万葉集長歌に対句が多いことを注視し「長歌の末尾がその対句に対応するようにして結解をなす」型式を指摘し 537結解歌を古体に属すとした。これを参考に新たに、対句+長歌末尾(一応の目安は3句)型式+小長歌(14句以下)の条件を設けて、 各書から40首近い同型式歌を選び考察対象とするのが本論である。同型式の特徴は、記・紀・万葉集・琴歌譜に汎用される型式であること、 記78志良宜歌、記104志都歌、記39・40酒楽歌、記72本岐歌片歌、記89読歌など歌曲名をもつ宮廷歌謡を相当数含むこと、万葉集では巻十三に多く、 巻一2舒明天皇、17額田王、25天武天皇、巻二153天智大后・150婦人の歌など初期万葉長歌の一角を占め古く根深い歌が多いことなど、 総じて同型式はうたわれた型式とみなせる。またほとんどの歌が不整音句を抱いているのも大きな特徴である。 この型式は琴歌譜の長歌と共有されるため、長歌のうたいかたを思案するとき、琴歌譜の唱謡情報をモデルに、 同型式の記紀歌謡や万葉歌に類推を及ぼす仮説を考える。不整音句の調整については、早くに宣長や土居光知の見解をみるがそこに考証はなされていない。 琴歌譜の具体例(一拍の間で生み字を用いて音数の相違を調整するなどの実例)がその不足を補うに足るであろう。これにより、 不整音句はうたうときの障壁ではなくうたううたの痕跡とも見得る道筋がみえてくる。つぎに、対句における同音傾向や、537末尾句の謡いぶりにふれ、 万葉小長歌のうたいぶりについてのモデルを考えてみる。


天災・停電などの非常事態でオンライン開催が不可能になった場合には、やむをえず例会開催を中止することがありますが、中止の周知は、多くの場合困難ですので、ご了承ください。
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二〇二二(令和四年)年度 上代文学会一月例会 ご案内
日  時 二〇二二年(令和四年)一月八日(土)午後二時~三時三〇分
研究発表 「令三軍神」考―『住吉大社神代記』における『日本書紀』利用の問題をめぐって―

発表要旨
「令三軍神」考―『住吉大社神代記』における『日本書紀』利用の問題をめぐって―


 住吉大社の古縁起にして神官津守氏の氏文でもある『住吉大社神代記』(以下『神代記』)については、主に成立年代・成立経緯の問題を中心として研究が進められてきたが、一方で、その内容についての検討は十分にはなされてこなかった。特に『神代記』のうち半分ほどを占める『日本書紀』利用箇所については、坂本太郎氏(「住吉大社神代記について」『国史学』八十九、一九七二年十二月)が下した「書紀の文の衒学的な無計画な転載」「およそまともに本を読んでいる限り書ける文ではない」などの評価に象徴されるように、見るべきものがない部分として軽視される傾向にあったと言える。  これに対して三浦佑之氏(「『住吉大社神代記』の成立と内容」『古代文学』二十一、一九八二年三月)や谷戸美穂子氏(「『住吉大社神代記』の神話世界―平安前期の神社と国家―」『古代文学』三十七、一九九八年三月)は、『日本書紀』からの抄出や改変の中に住吉大社側の積極的な意図を読み取るべきとして、坂本氏とは異なる視点を提示した。そのような三浦氏や谷戸氏の視点は、『神代記』を読む上で重要なものだろう。ただ、そうした観点からの『神代記』研究が、谷戸論以降も盛んに行われてきたとは言い難い。  しかし『神代記』の『日本書紀』利用箇所には、これまで見過ごされてきた重大な問題点がまだ残されている。本発表では、坂本氏が『日本書紀』の無計画な転載の代表例の一つとして断じた、神功皇后摂政前紀の「令三軍曰」を「令三軍神(ヽ)曰」と改変している箇所(二三五・二六九行目)について、「三軍神に令して曰はく」などと読み下して〈神功皇后が神に命令するという不自然な文〉と見なす従来の解釈の誤りを指摘し、当該箇所の改変が『神代記』における住吉大神の〈軍神〉としての位置付けと深く関わる意図的かつ重要な『日本書紀』の読み換えであったことを明らかにする。またそれを端緒として、『神代記』における神話の描き方、そして『日本書紀』利用という営みのあり方を改めて問い直すことを試みる。